今から10年以前に「信長の野望 革新」という歴史シミュレーションゲームにハマっていた時期があります。
「信長の野望」シリーズは日本全国の大名の中なら1人選び、物資を生産し、人材を集め、戦をして、日本を統一するというゲームです。
信長の野望革新(以下革新)では、鉄砲技術や大砲、築城など武将毎に得意なスキルがあり、技術革新に必要な人材を集め自陣営を強化していくことが天下統一の鍵になります。
毛利家の武将は弓矢の技術と水軍の技術が強く、そこそこ人材も豊富なので毛利を好んで使っていました。
安芸から天下を窺う
毛利元就は、中国地方の安芸(広島)の大名で、「三本の矢」の例えで子供たちの結束を諭したというのは有名な話です。
中国地方は、毛利一強です。余裕と思われるでしょうが、強豪大名の武田や上杉、織田と陸続きで、しかも近くの九州には島津がいます。
終盤になると、大体は中国地方より東を支配する武田と九州+四国を支配する島津という二大勢力と中国地方のみ(+四国の一部)を支配する毛利(自分)という三国志状態になることが多かったです。(自分はのんびりプレイが好きだから、領土が狭い)
どちらかと同盟を結ぶ事が出来ればいいのですが、出来ない場合は容赦なく挟み撃ちに合います。こちらも力を蓄えているので、多少は耐えられるのですが、双方からの波状攻撃に合い物資が底をつき滅亡したことも何度かあります。
緩衝地帯
そこで武田、島津の間に緩衝地帯を設けることにしました。早くから見込みのある大名と同盟を結び、自分の利益にもならない戦に救援を送り、甲斐甲斐しく同盟関係を維持していました。
来る、武田、島津の侵略に備えて。
自軍が一瞬で消滅
ゲーム中盤にその時が来ました。
同盟国からの救援要請が来たので、即座に救援を送る。少しぐらいは耐えられるだろう。しかし・・・
陸戦に弱い自分の兵が武田の騎馬隊や島津の鉄砲の猛攻で一瞬で蒸発。これは終わった。
狙いは自分ではなく同盟国だったので同盟国が滅んだら、そこで彼らの攻撃はやみます。
しかし、すぐに攻め込まれ、同盟救援のために消耗していた自分の国は滅亡しました。
海で戦えばいい
気付いた。
陸で戦っても勝てるわけがない。
武田や島津は陸上なら最強だが、海上では弱い。毛利は、水軍と弓矢が強いから、その技術を特化させて制海権を握れば勝てる。
最初から弓矢と水軍技術を特化させ、大艦隊を派遣し、武田や島津が支配する港を攻め込み占領する。そして、奪回しに来たら、そこの港に蓄えてある物資を全部盗んでおさらばする。そうして彼らが中国地方へ食指を動かすのを妨害する。
やばい天才だ。しかもこの作戦は何回も成功した。面白い。
大局観が無かった
しかし、そんな海賊みたいなことをしても、彼らにはほぼノーダメージ。
気付くと中国地方より東側は、ほとんど武田領。島津は九州全土そして四国も支配しかけている。武田、島津の領土は目と鼻の先。
その後、武田島津同盟軍の挟撃であえなく滅亡。
四国にひきこもる
そもそも艦隊を遠征する必要がなかった。
中国地方にこだわる必要もなかった。土地にこだわるから陸続きで攻撃される。
そうだ四国にひきこもろう。
生き残るには四国が必要
中国地方の平定を捨て、日の本を統一することを捨て、武田や島津から国を守るためには、生き残るためには、四国を支配しなければいけない。
四国は中国地方から目の前で、四国には天然の要害、海がある。水軍の弱い武田や島津から国を守るのには好都合だ。
その足掛かりとして、目の前の伊予国(愛媛)を全力で奪った。よし第一歩。
その後土佐の雄、陸戦が強い長曾我部に手間取ったが、なんとか滅ぼし、四国を無事統一した。
中国地方は技術革新のための施設を建てて、四国には食料などの生産設備を立て、船などの軍需を急ピッチで製造し、武田、島津に備えた。
毛利、四国を守る
武田、島津同盟が中国地方に兵を送ったと伝令からの報告。
もう技術革新は済んでいたから中国地方は奪われても問題ない。
その時の自分は、本州の領土、まして日本統一など興味がなく、武田や島津を海の藻屑にすること、その一点のみでプレイしていた。
もし本州の領土を失っても四国があればなんとかなるだろうと思っていた。
中国地方を手に入れた彼らの次の目標、四国上陸を目指し、武田、島津同盟の水軍がやってきた。
飛んで火にいる夏の虫。
技術革新を重ね、強化した水軍、弓矢の技術で武田、島津の軍勢を続々と海に沈めていく。どれだけ彼らが陸では強くても、海では毛利が最強!
人材を強化する
捕らえた武将を登用し自軍を強化。登用が無理な人材は容赦なく命を奪い、武田、島津の人的資源に打撃を与える。
それをひたすら繰り返すと、捕らえた敵軍の武将の質が目に見えて落ちていってるのがわかる。とにかく武田や島津という二大勢力(しかも同盟関係)を四国のみで何度も撃退するのが面白かった。
未来は明るかった。
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
しかしあっけなく滅んだ。
何故かというと、調子に乗って人を雇いすぎた。
人を雇えば、お金がかかる
登用した人材の俸給(給料)は自動で一年ごとに上がる。四国しか支配していない自分はその昇給に耐えられなかった。
戦争や技術革新のためには人が必要で、人を増やせば金がかかり、そのためには常に領土拡張(成長)していかなければジリ貧になる。
狭い四国では成長に限界があった
このゲームには交易という概念はなく、金銭や米を得ようと思ったら土地に施設を建てるしかない。なので、たくさんの金銭や米を得ようと思ったらひたすら土地がいる。
金山、銀山による収入もあるが、鉱山のある中国地方も早くに手放してしまった。(島津、武田からの防衛コストがかかりすぎるから仕方がない)
いまさら領土(経済圏)を拡大しようにも、海戦技術に特化しすぎて、陸戦で武田や島津には勝てなかった。
土地が狭く、給料を払うための生産設備を優先され、人材がいても技術革新の研究施設が立てられない。
武田島津からの防衛で蓄えも減り、海賊行為も兵糧を使うから、収益を上げられず、厳しくなってきた。
畜生にならねば生き残れない
だからといって有能な人材を手放すと敵を強化することになる。仕方ないから給料の高く、能力の低い古参武将を続々リストラした。その後彼らは敵のもとに走り、侵略軍の先鋒を務めることになった。
そして戦争で捕らえ、彼らの命を奪った。
生き残るために畜生道に落ちてしまった気がした。
ゲームといえど、少し心が痛んだ。
戦争は数
八方ふさがりだった。少数精鋭とか妄想だった。
人材の質が低くとも頭数が多く、経済圏の大きな武田や島津にはとても勝てなかった。
戦争は数だと思い知った。
しかも自慢の有能な武将も寿命で亡くなって、頼みの人的資源も失っていった・・。
土地の狭い四国でひきこもった毛利は、数に勝る武田、島津連合軍との消耗戦の末、滅んだ。
戦略で負けた
毛利の天下統一の夢は敗れた(もとから無かったけど)。
武田、島津を沈めるのは面白かったけど、最終的には滅んだ。
四国ひきこもりプレイは最高に面白かったけど、そもそも水軍、弓矢技術は、鉄砲や騎馬の技術ほど領土の拡張に役立たない。
役に立たない技術に資本を投下したから負けた。主戦場は海ではなく、陸だった。
最初は得意分野(弓矢)で領土を増やし、その後人材を獲得し鉄砲技術に転換していくという方針を取れば、もう少し生き延びた可能性もある。
極端に特化しすぎると、変化することが難しくなるのかもしれない。
戦術(局地戦)で彼らには勝ったけど、最終的に戦略で敗北した(大局観の欠如)。
九州ひきこもりプレイ
それから革新はやっていなかったけど、少ししてから前回の反省を踏まえて大砲技術に定評のある大友宗麟で九州ひきこもりプレイをやっていた。
中盤で宿敵島津を滅ぼし、九州を統一。土地や人材、資本が揃ったので技術革新する。
取り込んだ島津の人材で鉄砲を強化して、その後滅ぼした毛利の人材で水軍を強化した。
強化した大砲を積んだ最強の水軍で、積極的に敵の港に艦砲射撃を加え、破壊して略奪するとという、海賊行為をして遊んでいた。
西国モンロー主義
海賊行為も飽きてきた。
領土の開発や築城など別の技術革新に集中したかったので、中国と四国に同盟国という名の緩衝地帯を設けた。
毛利の時と違って陸戦でも鉄砲があるから容易に同盟国を守ることが出来た。挟み撃ちに合うこともない。九州は広く、ジリ貧になる心配もない。
西国モンロー主義を掲げ武田(東国)の干渉を徹底的に排除する。
日本統一という目標を捨て、一地方を支配し、のんびりする。
これが「信長の野望 革新」で一番やりたいことだった。
飽きた
目標達成したら、満足して飽きてきた。
その後同盟国を見捨て、本州の領土も放棄し、九州のみで武田と何年も戦争をしていた。それから決着つかなくて完全に飽きて辞めた。
それ以来革新はやっていない。
まとめ:天下統一はダルい
その後、続編の天道をやったけど、すぐ飽きてしまった。
途中までは面白くても天下統一するのがダルく、そこまでモチベーションが続かない。
信長の野望は領土が3~5つぐらいが一番やってて面白い時期(ドラグエのはがねのつるぎを買った時に近い)で、その感じのまま、ずっと遊びたかった。
だから必然的に、海で遮断された四国や九州が勢力圏のひきこもりプレイという名のモンロー主義になったんだと思う。(モンロー主義って言いたいだけなのは内緒)
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