NHKは民放には作れないような面白い番組があります。「やまと尼寺精進日記」も民放にはない面白いの番組なので、月1の楽しみです。
最近面白いと思った番組が、木曜22時から放送している「フランケンシュタインの誘惑」という番組です。
「フランケンシュタインの誘惑」の魅力
「フランケンシュタインの誘惑」とは理想の人間を作ろうとしたが、怪物を作り出してしまった「フランケンシュタイン」になぞらえています。
科学は人類の進歩、発展に寄与しますが、ある面では人類を滅ぼしかねないという一面も持ち合わせています。
原子爆弾、水爆などの兵器関連、ニコラ・テスラの大規模送電技術などの平和的な技術まで近現代の技術、科学者の光と影をクローズアップした番組です 。
近現代史好きは絶対に楽しめる
科学者によって生み出された赤子が独り立ちし、手を離れ、そして世界にどのような影響を及ぼすようになったのか。
技術の歴史、進歩について紹介するだけでなく、 その発明によって科学者は何を得て、何を失ったのか、物事を多面的に紹介してくれます。
歴史好きの人、特に近現代史が好きな人は絶対に楽しめると思います。
ロボトミーはやばい
色々なテーマの中で、一番恐ろしいと思ったのが 「脳を切る 悪魔の手術ロボトミー」です。
途中、ロボトミーの手術方法の説明図が紹介されていました。
それが恐ろしくて、思わずテレビを見ながら「痛い痛い痛い・・」とつぶやいてしまいました。ああいうテーマは見ているだけでお腹がキューってなります。
「マッドサイエンティスト」という言葉は彼のために存在した
兵器の技術は、戦争に必要なもので「国家による要請」と考えられます。
なので科学者のみに責任を負わせることは難しいと思います。
しかし、ロボトミーの話は少し違うと思いました。
本人は純粋な善意や社会貢献と考えていたのだと思いますが、そこから善意や社会貢献という類のものを感じることが、どうしても出来ません。
溢れ出る狂気を感じます。
「マッドサイエンティスト」という言葉は、SFやアニメの創作物に出てくる「メガネをかけて、髪は白髪でボサボサ、試験管を持っている」みたいな漠然としたイメージでした。
このエピソードを観て「マッドサイエンティスト」という言葉は、ロボトミーの科学者(医者)のためにあるのだと思いました。
「フランケンシュタインの誘惑」は物事を多面的に見るための訓練になる
物事には色々な側面があります。
科学技術が進歩することは基本的には素晴らしいことです。
しかし科学技術の進歩の結果、戦争の凄惨さが増したり、マイクロプラスチックなどの新しい環境汚染の問題も生じます。
このようにわかりやすい負の側面を知ることは、物事を多面的に見るために大事なことで、「フランケンシュタインの誘惑」は、その訓練になるのではないかと思いました。
この番組を視聴後、月並みですが「事実は小説より奇なり」という言葉がどうしても頭の中に浮かんできます。
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