視線恐怖症を克服しようとした話

ひきこもりと言っていますが、何年か前から週1~2回ぐらいは外出できるようになりました。

外出先は病院や図書館、ドラッグストア、コンビニ、スーパー、100均などです。

本を読むのが好きなので図書館に行くことが一番多いです。今日は一人のひきこもりが外出にまだ慣れていない時に感じた恐怖、それを克服しようとした話を書きたいと思います。

季節を感じながら歩く

今日は気温は低いけれど、風が無かったので過ごしやすかった。

いつもこんな感じだといいなと思いました。

冬は日差しが強いから外出しやすいけど、寒いことよりも風が強いのが苦手です。


図書館の途中には、 桜並木のある用水路のような小さな川があります。

春になると桜が満開になります。今の季節だと、越冬しにきた大量のカモが、川の上で浮かんでいます。

カモの近くを通ると、こちらに目を合わせず、静かに足を水中でバタつかせて、対岸の方に逃げていきます。それが何だか滑稽で面白い。カモを観察することは、冬の小さな楽しみです。

そんなことを考えながら、歩いていると図書館に到着します。

滞在時間は20分もないぐらいで用事を済ませたらすぐ帰ります。

今日は帰りに駅前のポストに、宅配レンタルで借りたCDを投函しました。

そして、コンビニに寄ってから、考え事や妄想をしながら歩いて帰ってきました。

歩いているときは大体考え事をしています。

視線が気になる

行きと帰りに絶対に通らないと行けない横断歩道があります。

この辺りでは交通量が多い、二車線と一車線が交わる交差点にある横断歩道です。

そこで信号待ちしていると、たまに下を向きたくなります。

たちの悪い妄想に支配される

何故かというと、車の人に見られている。と自意識過剰な妄想が浮かんでしまうからです。

一台の自動車には4人乗っているとして、交差点周辺に仮に15台いたとしたら4×15=60人の人がいる。

もし、60人の内35人ぐらいが自分を見ているかもと思うと・・「変にみられてないか」「歩き方はおかしくないか」「知り合いに見られてたらどうしよう」 なんて次々に言葉が浮かんで、それに支配されてしまいます。


だから外に出られるようになった当初は、その横断歩道で信号待ち、渡るときは下を向いていました。

言葉には言葉で対抗する

ある時期にそれは妄想だと気づいた。いや、そう思い込んだ。そう思い込まないとおかしくなりそうだった。そして、その妄想に反論しました。

「知り合いに見られたからって、死ぬわけではないし。信号待ちしてるドライバーという他人からどう思われたって、別に何かあるわけではない。自分のことを見た人だってすぐ忘れてる。人は他人に興味はない。タチの悪い妄想だ。気にするな。大丈夫。」

その横断歩道を渡るときは、妄想をかき消すように、そう自分に言い聞かせて渡っていました。

人間は慣れる

このやり方は、自分には効果がありました。しかし、何回かは繰り返す必要があって繰り返すごとに「頭の中のタチの悪い妄想」「不安感を煽る明確な言葉」は薄れて行って、「少しだけ嫌だな」ぐらいになっていきました。

人間はどんなことでも慣れるらしいが、たまに気になってしまいます(今日も)。

でも、やっぱり苦手だ。出来るなら通りたくないです。

コメント

  1. 私も人の視線が気になっていたことがあります。

    というのも、私の親は一挙手一投足を見張って、私が何か失敗したりすると喜んで「イジる」人でした。
    私の体を舐め回すように見て、体の特徴をけなしてきたりもしました。
    また、親の機嫌が悪いときには私の挙動を見張って、難癖をつけて怒ってくることもありました。
    それが積み重なって「人に見られる=嫌なことが起こる」と刷り込まれてしまったのです。

    だから、「人に見られるのが怖い」という人には、人に見られることで嫌な目に遭った人もいるのでは?その原因を取り除いたほうがいいのでは?と考えています。

    ちなみに、私が人の視線を克服したのは、「こっちに興味を持ってくるのは意地悪で暇な奴」(好意を持ってるパターンはそう無いので除外)と思ったことです。
    さらには、「そういう奴は他所でもやってる」→「いつか大きなトラブルに巻き込まれる」とも。

    • 人間だったら誰でも失敗するし、親であるなら子供をフォロー(慰め)してあげるべきです。機嫌が悪くても子供にあたるのは筋違いですよね。

      容姿などに気を使って少しマシになると、外出や人と関わる際の心理的抵抗が減るという経験はありました。
      コンプレックスを改善する、取り除く事の効果は絶大です。
      けれど、自信喪失していると「自分=ダメ、何をやっても無駄」という風になってしまい、改善しようという気持ちになりにくいのが問題で、もっと早くに気付けば・・という後悔もあります・・・。

      自信がないと他人の評価に翻弄されますが、その評価もただの好き嫌いで、絶対的に正しい訳ではない。実際はただの人間で、しかも、そこそこ嫌な奴ってことに気付くとかなり楽になれました。

      過去に働いていた会社の社長が瞬間湯沸かし器みたいにすぐ怒鳴る人で、自分もよく怒鳴られたし、訪問販売などにもすぐ怒鳴る。

      その後思ったことは、もし社長が路上などで病気で倒れ、たまたま通りかかった人が過去に怒鳴った人だったら、助けてくれるだろうかということでした。
      敵を作りすぎるのは良くないのかも、とその社長から学びました。

      共感する事がとても多かったです。
      MMさん、コメントありがとうございました。